ヒトと動物との共通感染症

人と動物との共通感染症は、ヒトの感染症の60%以上を占めるそうです。人獣共通感染症では、野生生物を自然宿主にしていた病原体(ウイルス)が、家畜などの脊椎動物や昆虫などの無脊椎動物を経由し、あるいは直接にヒトへ感染して広がっていきます。過去においても、ウシから天然痘や結核、ブタやアヒルからインフルエンザ、ヒツジやヤギから炭疽症、ネズミからペスト、主にイヌ(ネコやコウモリなども)から狂犬病、そして、サル免疫不全ウイルス(SIV)が変異してヒトに感染してヒト免疫不全ウイルス(HIV-1、HIV-2)がありました。人と野生生物とは、食用や接触によって感染症が広がることが多いので注意が必要なのです。

なぜコウモリ?

自然宿主には、特に、コウモリが多いという説もあります。新型コロナウイルスと遺伝子が96%同じであるといわれる「SARSウイルス」もコウモリが自然宿主と考えられていますが、南京虫やトコジラミもコウモリからヒトに寄生先を変えた生物です。なぜコウモリが、主要な感染源になってしまうのかというと、コウモリは、哺乳類の中では進化が比較的原始的で、多くの哺乳類が持つ遺伝的特質の原型を持っているからだそうでです。そのため、変異すると他の哺乳類へ感染する能力を持ちやすいことになるのだとか…。また、コウモリは冬眠するため、ウイルスもコウモリとともに越冬し、長い期間、生きながらえることができます。その上、コウモリ自体の寿命が長く、30年以上も生きる種類もいるのだそう。また、コウモリは、湿った洞窟や木の洞などに集団で密集して生息するため、コウモリ自体がウイルス感染のパンデミックを起こしやすいのです。更に、子どもでも容易に捕まえることができるので、食用にする地域もあることが考えられるそうです。