ナマズは地震を予知できるのか?地震と自然界の宏観異常現象

大きな地震の前触れとして、発生したり、知覚されるような「生物的」「地質的」「物理的」な異常現象は、宏観異常現象(こうかんいじょうげんしょう)と呼ばれています。大地震の前の宏観異常現象にはどんなものがあるのでしょうか?そして、なぜ、多くの宏観異常現象野中でも「ナマズ」が取り上げられるのでしょうか。

宏観異常現象

鳴動、地鳴り、耳鳴り(超低周波音)

1854年の伊賀地震では本震の3日前から鳴動が始まり,2日前にはかなり強い前震が2回あって鳴動も盛んになり,27回の小地震があったといいます。本震の大きな揺れ(S波)が来る前に到着する初期微動(P波)による音だろうと考えられているようです。

隆起

関東大地震の時は,三浦半島三崎の地盤が1900年の観測開始以来、年1 cmの割合で沈降していたが、1921年から逆に年3 cmの割合で隆起するようになり、1923年の大地震で1.4 mほど隆起したそうです。

海面の変動(潮が引くなど)

1927年の丹後地震では、3月7日18:28の地震発生の数時間前に、今まで表れたことのない岩が海面上に露出していたそうです。この隆起量は1m程度と考えられていますが、この一時的隆起は、地震で出現した郷村断層の東側の地域で顕著だったものの地震後はもとに戻ったそうです。

地電流

地中には微弱な電流が流れています。地磁気変化や地殻の活動などの自然変化に伴って地電流は変化するので、その異常変動によって地震の予知が可能だといいます。

地震雲

雲の形と地震発生との関係は、全く不明で、気象庁地震予知情報課も「占いと同レベル」としているようですが、以下の迷信があります。

◇長く太い帯雲が下のほうにあり、空に長く残るときは近くで地震。

◇長く太い帯雲が高くにあり、空に長く残るときは遠くの方で地震。

◇龍のような巻き雲(竜巻とは違うようです)がまっすぐ立ち上るときは、すぐに地震がくる。赤い地震雲は強い地震がくる。

竜巻

地下水・温泉・海象

地下水の水位、温度の異常、潮の異常干満、海面の変色などがあります。

1943年の鳥取地震は、鳥取市の吉方温泉では地震の30分前に無色の湯が米汁のように浴槽内で自分の足が見えないほど白濁し、湧出量が平常の1.5倍になったそうです。

阪神大震災の8日前に、地下水や大気中に含まれる放射性元素であるラドンの量が著しく増加したそうです。ラドンは岩石中のウランやトリウムの放射壊変で生成する気体なので、地下水とともに移動すると考えられています。

◇井戸から音が聞こえたり、井戸の水の潮位が変動する時は地震がくる。

◇地面の下から不気味な鳴動を発し、空気が重く沈んでいるときは即地震がくる。

石油の滲出

1810年の男鹿地震では1ヶ月ほど前から八郎潟の湖底に石油が滲出し、湖水の色が赤や黒に変化して魚が大量死したという記録があるそうです。また、1939年の男鹿地震でも、地震の前日に八郎潟でフナやコイが岸の近くに押し寄せて多数捕獲されたり、前日に多数のイイダコが酔ったような状態で砂浜にはい上がってきたそうですが、石油の滲出によるものと考えられているようです。更に、天然ガスの噴出によって臭いを感じたり,ガスが燃焼して「火の玉」が飛んだりすることもあるのだとか。

海面の発光

海底で地震が起きるとメタンハイドレートが浮上し、海面上で青白く発光する説があります。

地震発光現象

揺れの数十秒前に目撃例があり、震源方向の地平線の上空に黄色・白の光が数十秒間見られたという証言があります。光の原因はプラズマ放電現象や、電気の放電ではないか、との説などがあるようです。

◇日暈(=ひがさ・にちうん)や月のかさが異常に大きい時は数日以内に地震がくる。

◇夕焼けや朝焼けの空の色が異常な時は地震がくる。

◇月の色や光が異常な場合は地震がくる。

◇朝焼け時の太陽の光柱現象は地震の前触れ。

◇夜、昼間のように明るいときすぐ地震を疑う。

1930年の北伊豆地震では、伊東で観測していた地震研究者が箱根方面に顕著な発光現象を観察したり、1751年の越後高田の地震では、夕暮れから海に出た漁師が沖でボラやカレイを釣っていたところ、村の方向が一面に赤くなり、火事だと思って急いで帰ったところ、何事もなく、夜半過ぎに大地震が来たのだといいます。

通信機器の乱れ

地下の岩盤のズレによる圧電効果で、テレビ、ラジオに、画像、音声の乱れがあるようです。また、携帯電話にも、データ通信の速度が異常に遅くなったり、レーダー・無線機に異常な虚像が写ったりすることもあるようです。

動物の変化

ナマズ

◇地震の前にはナマズが騒ぐ。

1923年の関東大地震の前日に湘南の鵠沼海岸の池で、投げ網を用いて30 cm大のナマズをバケツ3杯分ほど漁獲した人がいたそうです。ナマズは、昼間は池の底に潜んでいるはずなのに、泳ぎ回っていて容易に捕獲されたことが、異常行動が考えられるというものです。また、関東大地震の2~3日前から、向島の料亭で、ナマズの幼魚が跳ね上がっていて不思議だったといいます。

◇鶏が夜中に突然騒ぎ始めるときは、地震がある兆し。

カラス

◇日中カラスの大群が移動するとき、地震に注意。

原因

科学的な証明は、再現性、定量性を正しく評価しなければならず反論も多く、正論とするのは難しいようですが、何らかの電磁的現象によるものと考えられています。

電磁的現象

地殻にプレート運動などの圧力が生じると、岩石同士の圧力や、破壊によって電荷が発生します。または、地中のラドンから電荷を帯びたイオンが発生し、地震の前後には、震源やその付近から、電磁的な現象が起きるそうです。

2011年に発生した東北地方太平洋沖地震では、半年ほど前からFM放送波の強度が通常の2-3倍になっていたとか、約一週間前に太平洋上の電離層の境界が下がったことを観測していたこと、地震の40分前に東北地方上空の電離層で電子数が増えていたことなどが発表されています。

ラドン濃度については1983年8月の山梨県東部 M6.0の地震に先立ち、ラドン濃度が異常な上昇があったことが報告されています。

ナマズ

これだけの、宏観異常現象がある中で、地震と言えばナマズ、と言っても過言で無いほど、ナマズに関する言い伝えが多いですね。


大鯰(おおなまず)は、巨大なナマズの姿をした、日本の伝説の生物で、地下に棲み、身体を揺することで地震を引き起こすとされています。江戸時代頃から、地震の原因は、大鯰が主流となり(それまでは、龍や地震虫)、安政大地震の後には200種を超える鯰絵が出回りました。でも、実は、ナマズと地震の関係について触れた書物としては古く『日本書紀』にまで遡ることができるといわれています。

ナマズが地震宏観異常現象の象徴となるには、理由があって、ナマズは電気に非常に敏感なのだそう。例えば、ナマズは、コイなど他の魚種にはない水中の微弱な電位差を感じる能力があり、その感覚の鋭さは人間やコイなどが感じる能力の100万倍に近いと言われています。

そのため、地震に関係する電気的な変化(電磁波)の記録とナマズの行動量との対比が東京都水産試験場でも試みられました。

その結果、地中の電気的な変化(パルス状の電界変化)が激しい時にナマズの行動が活発という可能性があることが解ってきたようです。

しかし、そのナマズよりも、ウナギの方が電気的にナマズの10倍敏感ではないだろうかと指摘されていて、「安政見聞誌」には、ウナギを釣りにいったが、ナマズが騒いでいたことが書かれていますが、これはいち早くウナギが地震に関係する微弱な電気的シグナルを感知して姿を隠し、遅れて大暴れしていたナマズが釣られたのではないかとの推測もあるようです。

ナマズは淡水魚ですが、海水魚の深海魚であるリュウグウノツカイも、普段は滅多に見られないのに、水面近くで見えたときは、地震の前触れと言われています。やはり、地震直前に海底から出てくるガスや電磁波のようなものを嫌がり、海面近くに逃れてくると考えられているためのようです。どれも、長い魚ですね。

まとめ

いかがでしたか?地震と、ナマズに代表される自然界の宏観異常現象を御紹介しましたが、関連性は断言できないものの、電磁波やガスなどにより、異常現象が起きるのではないかという推測が濃厚ですよね。

宏観異常現象が真実かどうかは、おいといて、地震についての日頃から備えが大切であることは間違いないので、忘れないように時々話題にするのもよいのかもしれません。

三浦半島で異臭の通報500件。原因は何?異臭と地震の関係

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です