今更聞けない「米国の選挙制度とアメリカ大統領選」

トランプ大統領の再選か、民主党のバイデン氏による政権奪還か。11月16日現在は、306:232でバイデン氏が優勢です。もはや日本では、まるでバイデン氏に決定したかのように世論も経済も落ち着いてしまっていますが、実は、まだ決っているわけではないようです。米国の大統領選は大変な長丁場なのです。

さて、米国の選挙制度はどうなっているのでしょうか?

基本的な選挙制度

選挙権について

18歳以上の米国籍を有する物で、原則として選挙の行われる区域内に居住する者が選挙権を持ちます。

日本の選挙権との違い

①選挙制度が各州ごとに定められていること

②選挙人名簿の扱い

日本では、住民基本台帳を元に選挙人名簿が登録されますが、米国では住民登録制度がありませんので、有権者登録を行っています。日本では自動的に選挙人名簿に登録され、選挙の際には案内が来ますが、米国の場合は、有権者自身が登録しないと投票ができません。

大統領選挙制度

予備選挙

まずは、各州で予備選挙を行い、各党の候補を1人に絞り込みます。2020年の場合は、2月4日にアイオワ州で始まり2月中に他3州で、スーパーチュースデーと言われた3月3日火曜日に14州、それ以後も順次夏までに全州で行われます。

その選出は、秘密投票と呼ばれる方法と党員集会として公開投票される方法がありますが、8月の下旬に各党が行う全国大会で候補者が正式に決定されます。

本選挙

11月3日の本戦は一般有権者による投票ですが、州別に選挙人を選ぶ間接選挙となります。各州には、連邦議会の議員数(下院:人口比に基づき割り当・上院:各州2人)と同数の選挙人が割り当てられており(州によって3人~55人、合計538人)、州内でより多くの票を集めた者が、その州の選挙人を総取りします(メーン州[4人]とネブラスカ州[5人]の2州は除く。州の勝者が2人と残りは州内の選挙区ごとの勝者が獲得する)。過半数の270人選挙人を獲得した候補者が勝利となります。

選挙人団による投票は12月の第2水曜日の次の月曜日に行われ、翌年1月に選出された大統領が就任するのです。

なお、現在、米国の州は50あります。

各党の候補者

予備選挙で各党の候補者を選ぶ際、共和党は事実上、トランプで決定していましたが、民主党は当初10人以上の候補者がいました。次々に撤退し、最終的に4月8日にサンダース上院議員が撤退するまで、バイデン元副大統領と一騎打ちとなり、最終的にバイデン氏に決まりました。その際、同時に副大統領もセットで決定されます。

郵便投票

コロナ禍でいかに選挙を実施するか、で郵便投票がクローズアップされました。

郵便投票制度

郵便投票は、各州とも何らかの形で制度が存在します。①不在者投票として行う州で「一定の理由がある場合のみに認められる州」(16州)と「希望すれば誰でも認められる州」②「すべて郵便投票による州」(オレゴン、ワシントン、ユタ、コロラド、ハワイ)があります。①の不在者投票をする場合は、申請を行わない限り投票用紙が送られて来ませんが、②の場合は全有権者に投票用紙が発送されます。例えば、②の場合のハワイ州ホノルル統合市郡(ホノルル市は制度上の市ではなく統計上の市で、オアフ島全体がホノルル郡がハワイ州の統合市郡)では、10月16日に投票用紙が発送され、11月3日19時必着で郵送するように指示されています。10月20日から投票日まで市内2箇所に有権者サービスセンターが設置され、投票用紙を持参することができますが、投票用紙を交付を受けることはできません。

コロナ禍の今回を特例として、以前から原則郵便投票としている5州の他に4州が今回に限って郵便投票としたところもありましたし、不在者投票として郵便投票できる一定の理由を拡大して郵便投票を認めた州も上記①の16州中12州もあり、郵便投票が増えました。

郵便投票のメリットとデメリット

メリットは、密を避け、どんな方でも投票ができ、選挙事務従事者も多く確保する必要がなかった点です。デメリットは、有権者本人が投票所に出向くわけではなく郵便により投票箱に届くというので様々な懸案がでてくる点です。対策として、なりすましを防ぐために31州では要票用紙の返送用の封筒に記載する宣誓の署名を行い、有権者登録時の署名と照合して確認しています。他、身分証明書のコピーを求める州もありますが、特段の確認を行わない州もあります。

もともと、6月のニューヨーク州での連邦下院の予備選挙でも、2つの選挙区で不在者投票の処理に通常の10倍の時間がかかったり、大量の無効票が出たりしました。

懸案

トランプ氏は、郵便投票の拡大による無効を各地で訴えていますが、2000年のブッシュ氏対ゴア氏の大統領選の際、南フロリダ州で勝利宣言・敗北宣言の取消、法廷闘争と再集計を実施し、決着までに1か月もかかった経緯もあるので、今回は、予想以上に決着までに時間がかかるかもしれません。

次の大事な4年間を担う大統領。早期に正しく決定されることを願ってやみません。

今更聞けないアメリカの副大統領の役割は何?はこちら♡

https://yajikitasanpo.com/archives/817

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